特別企画 - バレンタイン -



【Colorful Bitter Chocolates】

「おっと……」

 ハートや小さなボックス、ストライプや水玉のラッピング、綺麗に結ばれたリボン。
 両腕から今にもこぼれ落ちそうな沢山のプレゼントを抱えながら、僕はゆっくり慎重に渡り廊下を進んでいた。
 その時、行き交う青い制服の間から、並んで歩くヴェリテとオネットの背中を見つけた。
 どんな人混みの中でも、あのふたりが一緒にいるのであれば、一瞬で見つける自信がある。それだけ、ふたりは目立っていた。

「ヴェリテ!オネット!」

 僕の声に、ヴェリテが振り返る。少し遅れてオネットも、ゆっくりと上半身をそらすよう振り向いた。

「サフィール」

 すぐに僕に気がつき、ヴェリテが柔らかく微笑んでくれる。

「おう」

 ポケットに手を入れたまま、オネットがクイっと顎を上げる。
 僕はというと、急いでふたりのところまで行きたいと気持ちは焦るのに、両腕いっぱいの贈り物たちが、押し合いへし合いどうにか腕をすり抜けて、落下しようと試みるので、なかなか思うように歩けない。
 勢いよく声をかけた割には、なかなか近づいてこない僕の様子を見かねて、ヴェリテがこちらに歩いて来ようとするも、その腕をオネットが掴んで止める。これは見ものだと言わんばかりに、静観を決め込む気らしい。悪戯っぽく口角が上がっている。
 ヴェリテは怪訝な顔で、オネットを振り返ったけれど、結局、オネットの無言の提案を受け入れたのか、一瞬、すまなそうな困ったような表情を浮かべた後は、オネットと並んでその場から動かなかった。

「ご、ごめんね」

「待ちかねましたよ」

やっとたどり着いた僕に、ヴェリテが微笑みかける。
オネットはグイッと覗き込んできた。

「なんだ、どっかに押し入ったのか?」

「押し入るって?」

キョトンとする僕に

「真面目に受け取らなくていいんですよ。オネットのつまらない冗談です」

ヴェリテは肘でオネットを押しながら、今にも僕の腕から脱出を成功させそうな赤いリボンの箱を取り、乗せ直してくれた。ふっ、横でオネットが可笑しそうに鼻を鳴らす。

「ありがとう」

 僕は、少し腕をずらして、体勢を整えてみた。
 これでしばらくは大丈夫。ひとつたりとも落ちる気配はない。

「で、姫様。モテモテのようだな?」

 オネットのその言葉がスタートの合図のように、僕は身を乗り出した。

「うん!この紫のリボンのはロロがくれて、これはタンドレス。それがさ、アフェクったら、タンドレスが自分にくれたチョコの方が小さいって拗ねちゃって「そんなことない」って言うタンドレスに「そんなことある」って言い張ってさ、じゃあって、僕のと取り替えてあげたの。そしたら、タンドレスはね、アフェクの好きな木苺を使ったチョコを選んだのにって、泣きそうになっちゃって、アフェクったら慌てて「返せよ」って、交換したチョコを僕からまた取り返して「サフィール、わがままはやめろよ」って「えー、僕???」ってなったよね、ふふ。でね、見て、この綺麗な包み。誰だと思う?って、言わなくてもわかるよね、そう!シャスタテ。本当にセンスがいいよね。見てよ、どこで手に入るんだろう、こんな綺麗な刺繍が入ったハンカチ。紙じゃなく、ハンカチで包んでくれるっていうのがシャスタテらしいよねー、でねでねっ」

 そこまで一気に話して、ハッと我に返ると、ヴェリテの優しい眼差しとぶつかる。

「あ、ごめんね、僕ひとりで喋っちゃって……ごめんなさい」

 耳がカァッと熱くなる。

「サフィール」

「はい」

「嬉しかったんですね、とても」

 ヴェリテの静かな問いかけに、顔を上げる僕の胸の真ん中から、小さな包みがひとつこぼれた。
 オネットが流れるような仕草で受け止めて、包みにキスをして戻してくれる。あまりにも自然で見とれてしまった。

「これは俺からな」

「他の人のプレゼントに便乗するものではないですよ」

「便乗じゃあないさ、これでこの目立たない小さな箱が、何にも代えがたいスペシャルボックスに格上げになったわけだ、相乗効果ってもんだろ」

「どんな理屈ですか」

「こんな理屈ですが?」

 僕は、ふたりのやり取りよりも「目立たない小さな箱」と言われてしまったアフェクからのプレゼントが気になって、何か申し訳ない気持ちがしたのだけれど、オネットがスペシャルにしてくれたのならそれでいいのかもしれない、うん、いいことにしよう、そんなことを真面目に考えていた。
 その時、

「おっ!」

「ちょっ、オネット!」

 いきなり音量の上がった会話に、驚いて両手を開きそうになり、慌ててまた持ち直した。
 オネットがオレンジのストライプ模様の包みをひらひらと頭の上で揺らしている。それをヴェリテが奪い返そうと手を伸ばしているところだった。
  見覚えのない包み。僕が貰ったものではなさそうだった。

「悪ふざけが過ぎますよ、オネット。返しなさい!」

「無理無理、もう開けちまったし」

 ヴェリテの手をひらりと軽くかわして、オネットは、包みから取り出した黒いキューブをポンと口に投げ込む。

「オネット!」

 ヴェリテの一喝も虚しく、オネットは悠々と一つ目のキューブを食べ終え、二つ目を取り出し口へ……のはずが、ピタリと動きが止まった。

「ヴェリテ……」

口を片手で押さえうつむいたオネットが、地の底からの聞こえるような低い声で呻きながら、ポケットに包みをねじ込み、ヴェリテの肩にもう片方の手を置いた。

「こ……これはなんだ」

「チョコですよ」

「そうか……お前は、この得体の知れない物体に、チョコと名付けたのか」

「はい? チョコはチョコですよ、カカオ90%のチョコレート。知っていますか? カカオに含まれるカカオポリフェノールは、動脈硬化を防ぎ、アレルギーやリウマチにも効果があるとされます。認知症予防にもいいのですよ」

「……なるほど。で、お前はそれを、どこの病気のじいさんに差し上げる気だったんだ」

「じいさん? 何をおかしなことを。サフィールですよ、サフィールに渡そうと準備していたんです。それを勝手に、あなたって人は」

 ため息をひとつつくと、ヴェリテは持っていた書類を脇に挟み、やれやれと言わんばかりに、オネットのポケットからクシャクシャになった包みを取り出し、両手で丁寧にしわを伸ばし始めた。
 
「サフィール、逝きたくなけりゃ、あれは口にするなよ。もう一回記憶が飛ぶぜ、確実に」

 オネットが耳元で囁く。
 
「聞こえてますよ、オネット。そうですか……失敗でしたね。そんなに凄まじいことになっているとは思いませんでした」

「は? 味見してねーのかよ」

「してませんよ? チョコなんて材料は決まっているのですから、そんなに酷いものができるとは思わないでしょう?」

「「でしょう?」 って……お前なぁ。しかも、手作りかよ」

 そう言って悶絶するオネットの手を、ヴェリテは静かに肩から引き剥がした。
 
「結果的に……」

 しわを伸ばすことを諦めたのか、ヴェリテは、まだしわくちゃの包みを書類に重ねて脇に抱えた。
 
「あなたが悪ふざけをして先に食べてくれたおかげで、サフィールは無事だったわけですし、良しとしましょう」

「あのなぁ……」

「では、わたしはカナン先生に呼ばれていますので」

 軽く頭を下げたヴェリテの髪がわずかに頰にかかる。さらりとこぼれたブラウンの間から覗いた、レンズの向こうの青い色が、少し悲しそうに揺れた。
 胸がキリと鳴いた。

「ヴェリテ!」

 僕は、腕の中の贈り物を丁寧に全てベンチに置くと、そのまま駆け寄りヴェリテの腕を掴んでいた。驚いて振り返った彼の腕から、僕はオレンジの包みを引き抜いた。

「ちょうだい、ヴェリテ! 僕、ヴェリテが作ってくれたものだったら、なんだって美味しいと思う。きっと美味しい! ヴェリテが僕のために作ってくれたなら、僕にとっては大切なものだから。きっと美味しいに決まってる!」

 自分でも驚くくらいの大きな声だった。周りの視線が集まるのを感じていた。
 だけど、そんなことはどうでも良かった。

「サフィール……」

 驚きから優しい色に変わる青。
 ヴェリテの瞳はいつだって綺麗だ。

「僕ね、嬉しかったんだ。さっき、ヴェリテも言ったでしょ、嬉しかったんですねって。そうなんだ、僕はすごく嬉しかった。ヴァレンタインってよく分からなかったんだけど、ロロがね、大好きな人に大好きの気持ちをチョコやお菓子と一緒に渡す日だよって教えてくれたんだ。ごめんね、僕、知らなくて、僕は何も用意ができなかったんだけど……。でもね、こんなに抱えきれない大好きを皆んながくれたんだ」

ベンチに積まれた贈り物を指さすと、ヴェリテがふっと目を細める。

「そうですね」

「だから、ヴェリテの大好きもくれる? 欲張りかな? でも、僕はヴェリテが大好きだから、ヴェリテから「大好き」をもらえたら、すごく嬉しいよ!」

「サフィール……」

そう言ったまま立ち尽くしてしまったヴェリテの肩に、オネットが自分の肩をぶつける。

「泣くなよ」

「……泣きませんよ」

「肩、貸してやろうか」

「いりません」

「あっそ」

 オネットが僕に目配せする。
 そこだけ時間が止まってしまったかのように、ヴェリテは動かないままだった。

 ちょっと前まで、僕の心は空っぽだった。
 でも、過ぎてゆく日々の中で、過ごしてゆく毎日の中で、大好きな皆が、僕の心に沢山の贈り物をくれた。
 大切なもので、この胸が埋まっていく。
 それは、甘かったり、酸っぱかったり、ほんのちょっぴり苦かったり……
 ほろほろ溶けて、熱をあげる。心は温かく満たされる。
 まるで、綺麗な箱に、大切に大切に、チョコレートを詰め合わせていくような素敵な気持ち。

 僕は、オネットに目配せを返す。
 それから、ヴェリテの腕を掴んだままの手に、ぎゅっと力を込めた。
 チョコレートが、またひとつ胸を飾った。
 
Happy Valentine's Day to you……
 
 
—fin—


INTORODUCTION
オッドエンタテインメントによる完全オリジナル作品!
オール男性のみのキャストで描く耽美×SFの世界観。

美しき男達の戦い。今、ここに幕が開く。


マーカライト・ブルー主題歌

「Calling」歌:鵜飼主水 作詞:藤川道子 / 作曲:向井健治

STORY

緑の深層の中に、ひっそりと佇む学園とその寄宿舎。
西洋風の古い趣を感じさせる建造物と近未来のハイテクノロジー設備が混在融合するその学園で、
生徒たちは、同じ年頃の少年たちと変わらず、思春期の多感な時期を謳歌していた。
しかし、彼らには、同じ年頃の少年たちとは決定的に異なる秘密があった。
特殊な潜在能力PSYを持ったCLOUD-BLUE(クラウド・ブルー)と呼ばれる少年たち、それが彼らの正体であった。

彼らが集められた目的とは何なのか。

そして、学園に現れたひとりの転校生。
彼の存在が、少年たちを逃れられない運命へと飲み込んでゆく。

少年たちを待ち受ける未来とは……

CAST&STAFF


キャラ解説
【ブルー】
サフィール以外のブルーメンバーの名前は、サファイアのジュエルメッセージが由来。
全員が集まり、サフィールを支え、ひとつの宝石となるイメージ。

  • ◆サフィール(Saphir:サファイア)
    物語の主人公。
    ある日突然デルニエ・エスポワール学院に現れた記憶を失くした少年。彼の登場と共に嵐の運命が幕を開ける。
    能力名:Silence of the Beast(野獣の沈黙)
    能力はエンパス(共感力)


  • ◆ヴェリテ(Vérité:真実)
    真実の名を持つ、学園の委員長。
    サフィールと出会った瞬間に、胸の中で目覚める運命を感じ、彼を守ることを誓う。
    能力名:Heaven's Wisper(天国の囁き)
    空気中の水分子を操り、自由に形を変え、防御にも攻撃にも使うことができる。


  • ◆オネット(Honnête:誠実)
    他の者とは距離を置き、馴れ合うことはしない孤高の存在。名前は誠実の意味。
    ルールに縛られることなく、問題行動も目立つが、能力の高さやその立ち振る舞いに一目置かれている。
    能力名:Roses in the Night(夜の薔薇)
    大気中から炎を生成できる。自分の掌中で作り攻撃することもできるが、波動により離れた物体を発火させることも可能。


  • ◆シャスタテ(Chasteté:貞潔)
    周りの者を魅了する、蠱惑的な魅力を持った小悪魔的少年。
    物欲が深く、欲しいものは体を使ってでも手に入れる。名の意味は貞潔。
    能力名:Fang of the Shadow(影の牙)
    自分の動きに合わせて、相手をシンクロさせ操ることが可能。


  • ◆アフェクシオン(Affection:慈愛)
    双子の弟。名前の意は慈愛。物心ついた時から兄とふたりきりで生きてきたため、他の者の干渉を認めず排他的。
    兄を守ることが生きがいであり、脅かす者には牙をむく攻撃的な性格。
    能力名:Mist of the Maze(迷路の霧)
    双子ならではのニコイチ能力。ふたりの気持ちがひとつになって初めて発揮される能力。
    幽体となった兄を、アフェクシオンが操作する。


  • ◆タンドレス(Tendresse:慈愛)
    アフェクシオンと同じく、慈愛の名を持つ双子の兄。
    ずっと弟に守られ生きてきたため、引っ込み思案で、いつも弟の後ろに隠れている。
    過度の保護の反動か学園の外への憧れも強く、好奇心も強い。
    能力名:Mist of the Maze(迷路の霧)
    アフェクシオンと気持ちをひとつにして発動する。
    幽体となっている間は、実体から魂が抜け、仮死状態となるため、長い時間の能力発動は危険。


【レッド】
リュビ以外のメンバーは、ルビーのジュエルメッセージを名に持つ。
リュビを中心に集まり、ひとつとなることを目指しているイメージから。


  • ◆リュビ(Rubis:ルビー)
    レッドチームのリーダー。名の意味はルビー。
    最強の能力を持つともいわれ、圧倒的な力で周りをねじ伏せていく暴君のような青年。
    お互いに気がついてはいないが、サフィールとは過去に因縁が?
    能力名:Flowers of Rage(怒りの花)
    空気を圧縮し、爆発させる。弾丸のように細かく発射する、爆弾のように大きく爆発させるなど自由自在。


  • ◆ディグニィテェ(Dignité:威厳)
    幼いころからリュビを慕い、守り続けてきた右腕的存在。
    レッドチームのまとめ役でもある。
    昔とは変わってしまったリュビに密かに心を痛めているが、それでも彼を守り続ける寡黙な青年。威厳の名を持つ。
    能力名:Kiss of the Moon(月の口づけ)
    重力を自在に操り、対象物を浮かべる、地に這いつくばらせる等が可能。


  • ◆パシオン(Passion:情熱)
    喧嘩っ早い特攻タイプ。考えるより先に行動し、トラブルの元となることも。
    反面、情に厚く面倒見も良く、仲間思い。名前の意は情熱。
    能力名:Breath of the Horizon(地平線の呼吸)
    大気の流れを操り、風を起こす。自らもその風に乗り、俊敏に動くことができる。


  • ◆クラージュ(Courage:勇気)
    レッドの最年少。純粋な無邪気さと優しさで、チームの癒し的存在となっている。
    自らはもっと強くなりたいと願っているが、実は、誰よりも強い心を持ち、
    大切な者を守るためなら傷つくことも厭わない、勇気の名を持つ少年。
    能力名:Fool's Tears & Wise Man’Teeth (愚者の涙&賢者の歯)
    ヒール&プロテクト、つまり癒しの能力と守りの能力


  • ◆ボーテ(Beauté:美)
    女性と見まごうほどの絶世の美しさを持つ、美の意の名前の青年。
    物腰は柔らかく、いつも微笑みを絶やさないが、何を考えているのかわからない妖しい存在。
    能力名:Songs of the Clown(道化の唄)
    幻術により、人の意識に入り込み、操り、惑わす。


【ブルー生徒】
  • ◆オラス(Horace)
    低学年クラスの委員長。自分でが人望があると思っているが、実際はそうでもない自意識過剰タイプ。
    シャスタテに夢中で、彼に尽くすが、いいように使われ、あしらわれている。


  • ◆ロロ(Roro)
    能力者の集められる学園で、能力の開花が遅いがために、劣等生扱いを受けている。
    能力の高いブルーメンバーが憧れ。臆病ではあるが、正義感が強く、いざというときには頼りになる。


  • ◆二コラ(Nicolas)
    ヴェリテをサポートする副生徒会長的な立場の好青年。
    ヴェリテが多忙の時には、代わりに生徒たちをまとめることのできる、頼れる存在。


  • ◆アントン(Anton)
    賑やかなことが大好きな明るい少年。
    騒ぎが起こると、いつの間にか中心にいて、誰よりもその状況を楽しんでいる。
    あまり物事を深く考えない、今が楽しければ良いタイプ。


【コランドン一派】
  • ◆コランドン(corindon)
    謎の組織のボス。レッド達能力者や武力集団、科学者等を集め、従えているが、その目的は明らかではない。
    『伝説の戦士』と呼ばれる存在を探し続けている。


  • ◆ギョーム(Guillaume)
    コランドンの一番の部下である科学者。研究のためであれば、笑顔で残忍なこともやってのけるマッドサイエンティスト。
    コランドンと『伝説の戦士』の関係を知る人物。


  • ◆ディミトリ(Dimitri)
    コランドン一派の剣の達人。強い相手と戦うことを望み、剣を交えることを聖なる行為と捉えている。
    強い相手には敬意を示し、無駄な戦いは好まない。


  • ◆チボー(Thibaud)
    女性的な話し方と身のこなしが特徴であるコランドンの手下。
    その仕草からは想像できない、豪快な攻撃技が特徴の双剣使い。最強最悪のオネエ。


  • ◆ドゥドゥー(Doudou)
    怪力自慢のデストロイヤー。力任せの攻撃で、周りをなぎ倒していくコランドンの手下。
    普段は温和だが、怒らせると手がつられない。仲間たちの中ではいじられキャラ。


  • ◆ギスラン(Ghislain)
    ギョームより生み出されたアンドロイド。
    感情に乏しく、残忍なことも躊躇わずに遂行する。
    常に冷静沈着、痛みを感じないため、戦闘においても恐怖することがない。



STAFF

殺陣振付:小栗諒(ASSH) / 振付:中村穣(劇団ひまわり) / 舞台監督:住知三郎 / 舞台美術:青木拓也 / 照明:村山寛和(マーキュリー)
音響:田中慎也 / サンプラー:鈴木れな / ヘアメイク:西村裕司(earch)、杉田智子(earch) / 衣裳 : 西田さゆり
衣裳製作協力 : StudioBABOON、植和田佳奈、まつおかまい / 音楽制作:榎本広樹、向井健治 / 演出助手:岡田雄樹 / 小道具:畑澤和也、蓮井佑麻
宣伝美術:東京神父、Eternjit株式会社 / 票券:TEAM#BISCO / 制作:山根可菜子(ASSH) / 制作協力:ヒロヤ(ASSH)
エグゼクティブプロデューサー:佐藤圭一 / プロデューサー:高橋恵美、小林諸生 / 製作:オッドエンタテイメント



協力

ASSH / アミティープロモーション / エーライツ / エナエンターテイメント / えりオフィス / オウサム / オフィス・インベーダー
ギャレエンタテインメント / 劇団ひまわり / ソニー・ミュージックアーティスツ / タイムリーオフィス / 長良マネジメント
野村誠一ウイングスジャパン / バンタムクラスステージ / FA-ZESエンターテイメント


OFFICIAL
公式サイト:http://www.odd-inc.co.jp/stage/markerlightblue/
公式ツイッター:@butai_mlb

製作
オッドエンタテイメント OFFICIAL SITE

THEATER
新宿シアターモリエール
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-33-10 新宿モリエールビル2F
OFFICIAL SITE

SCHEDULE
2016年10月5(水)~10(月)

・ダブルキャスト2チーム
lune(リュヌ)・・・意味:月
étoile(エトワル)・・・意味:星

5日(水)19:00~(lune)カーテンコール撮影会
6日(木)19:00~(étoile)カーテンコール撮影会
7日(金)14:00~(lune)チェキ会
7日(金)19:00~(étoile)チェキ会
8日(土)13:00~(étoile)アフタートーク
8日(土)18:00~(lune)チェキ会
9日(日)13:00~(lune)アフタートーク
9日(日)18:00~(étoile)チェキ会
10日(月)12:00~(étoile)
10日(月)16:00~(lune)


アフタートークイベントについて
【8日(土)13:00~(étoile)】
参加:BLUEチーム
MC:ヒロヤ
秋葉友佑
大島 崚
古畑恵介
小栗 諒
田中宏輝
中村 穣

【9日(日)13:00~(lune)】
参加:REDチーム
MC:真嶋真紀人
高野光平
柏木湊太
沖田幸平
小田川颯依
福田侑哉

終演後イベント チェキ会イベントについて
日時
10月7日(金)14:00~(lune)チェキ会
10月7日(金)19:00~(étoile)チェキ会
10月8日(土)18:00~(lune)チェキ会
10月9日(日)18:00~(étoile)チェキ会

チェキ会の抽選について
・価格:¥2,000-
・対象:キャスト全員(Wキャストの方は出演回のみ)
・限定20名
・キャスト:衣装
・公演の受付開始時間と同時に、抽選を行う為の整理券を物販ブースにて配布します。
・開場時間になりましたら、抽選箱からくじを引いていただき、
当たりが出ましたらその場でご希望のキャストとのチェキ撮影券(1枚分)と交換となります。
・お一人様、一回の抽選となります。
・ご当選者様の購入上限枚数は1枚までです。

カーテンコール撮影会について
10月5日(水)19:00~(lune)カーテンコール撮影会
10月6日(木)19:00~(étoile)カーテンコール撮影会

※カーテンコール時、ご来場の皆様にご自身で写真を撮影していただけます。
※撮影可能なタイミングはキャストよりお知らせ致します。
※撮影はご自身のお席でお願いいたします。 お席を移動しての撮影や、座席の上に立っての撮影は禁止です。
※三脚・一脚・望遠レンズ(カタログ上の長さが20cmを超えるレンズなど大きなもの)は
周囲のお客様のご迷惑になりますので、ご使用はお控えください。
※他のお客様のご迷惑になるような行為が行われた場合、カーテンコール時の撮影は中止とさせていただきます。

TICKET

8月14日(日)12:00 チケット一般発売
前売り/当日 5500円
カンフェティ
電話予約:0120-240-540(平日10:00~18:00)
チケットに関するお問い合わせは下記まで
teambisco@yahoo.co.jp

【リピーター特典】
・3回ご観劇でお好きなキャストの未販売ブロマイドA
・6回ご観劇でお好きなキャストの未販売ブロマイドB
・10回ご観劇で全キャストのサイン入りポスター(イラスト版)


GOODS

「物販(ブロマイド交換)に関するお知らせ」
この度、舞台「マーカライト・ブルー」で販売した小栗諒さんのブロマイドに関し、不備がございました。
大変申し訳ございません。深くお詫びいたします。
ご購入頂いたお客様につきましては、商品の交換をさせて頂きます。
大変お手数でございますが、下記メールアドレス宛に必要事項をお知らせください。
今後は二度とこのような事態を引き起こすことのないように十分注意いたしますので、
何とぞ御容赦くださいますようお願い申し上げます。

<必要事項>
お名前 / ふりがな / E-mail / ご住所(商品送付先)

<送り先>
info@odd-inc.co.jp


物販ラインナップ

ブロマイド(L判)
4枚入り/1,000円

缶バッチガチャ
★当たりつき(チェキ、Tシャツ、直筆色紙)
1回500円
※一度につき5回までとさせていただきます。
※物販を5000円以上お買い上げのお客様にガチャコイン1枚プレゼント!

Tシャツ

S~XL
3,000円

クリアファイル(イラストver.)

全11種類:各500円

クリアファイル用イラストセット
BLUEチーム(6枚入り):1200円
REDチーム(5枚入り):1000円

メッセージくじ
1回300円

パンフレット
2,000円

キャストサイン入りパンフレット
3,000円

キービジュアルポスター(限定数販売)
500円

DVD予約
1本:6,000円
両チームセット:12,000円
劇場でご予約された方にはスペシャル特典がつきます!

特別企画 - New Year -



【 はぴにゅ〜YA! 】

【サ】→サフィール
【シ】→シャスタテ
【ア】→アフェクシオン
【タ】→タンドレス
【パ】→パシオン
【ク】→クラージュ


ク「明けましておめでとうございます!レッドのクラージュです。
  今日は、パシオンと、なんとブルーの皆さんも一緒に、ジャポンという国のお正月文化を体験
  しています。 まずは、サフィールさんにお話を……」

パ「なーに堅苦しいこと言ってんだよ。「さん」とかやめよーぜ、フランクに、な? サフィール」

ク「ちょ、ちょっと、パシオン、それは馴れ馴れしいというか、失礼では……」

サ「ううん、大丈夫。僕もその方がいいよ。サフィールって呼んで」

ク「は、はい。分かりました」

パ「なっ、言っただろ? いいよな、シャスタテも」

シ「お好きにどうぞぉ」

パ「あとは、双子ちゃん。タンドレスと……アフェクな!」

ア「おい、俺のことをアフェクって呼んでもいいのは、兄さんだけだ。あと……まあ、サフィールは
  許す。でも、お前には許可しない」

タ「ア、アフェク……いいでしょ、別に」

ア「兄さんは黙ってて」

パ「あー……、そんじゃ、アフェクシオンということで……。クラージュ、続けちゃって」

ク「は、はい!では、まず、ボクが持っているのが羽子板で、この板で、パシオンが持っている
  羽を打ち合って遊びます」

シ「羽子板? きみ、何も持ってないように見えるけどぉ?」

ク「シャ、シャスタテさん、それはその構図の問題というか、その、あの……」

サ「シャスタテ、からかわないの。彼、分かってて言ってるから、気にしないで。それと……『シャ
  スタテに敬語は不要ですよ』」

双子(……突然のモノマネ)

ク「そうでしたね、すいません。では、この羽子板と羽を使う羽根突きという遊びなのですが、
  打ち損なうと、顔に落書きをされるという罰ゲーム的なルールがあり……」

パ「え!まじでまじで!俺やりたい!俺のBreath of the Horizonで、ブワッとボワッと」

ク「能力の発動は禁止です」

パ「えー〜〜、だってこの能力があれば、羽根突き界で、無敵よ、俺?なんの為の風の能力
  だよ〜」

ア「少なくとも羽根突きの為ではないだろうな」

パ「あ?……なんだ、オメーっ……ってか、うん、そうだな」

ア(素直か!)

ク「みなさん、やってみます?」

シ「ぼくはぁ、ノンで」

サ「え?面白そうなのに」

シ「木の板で、羽を打ち合うだけの遊びでしょう?なんの得があるのぉ?まあ、負ける気もしな
  いけど、顔に落書きなんて、ぼくは絶対にノンだね」

ア「俺も、パスで」

パ「そうな、二人でマフラー巻いてたんじゃ、ダブルスでも無理だもんなー」

ア「っんだ、この」

タ「ア、アフェク!やめなよ」

パ「っと、ジョーダン、ジョーダンでしょ、アフェクシオンくん。仲良くしようじゃないかぁ〜」

ア「ふんっ、触んな」

パ「クラージュ〜、ブルーの人が怖いよぉ」

ク「はい、そうですね。僕にも触らないでください」

パ「冷たっ!ヒーリングのプリンスのくせに、癒し系じゃないなんて、金返せ!」

ク「少し黙っててください。では、羽根突きはまた次の機会にということで。続きまして、サフィー
  ルの持っている雪だるまとシャスタテの持っている雪うさぎ!可愛いですよねー、ジャポンの雪
  だるまは二段なんですね」

シ「ふーん、ジャポンの人たちはスタイルが悪いんだねぇ」

サ「ちょ、シャスタテ。ごめんなさい。彼、とても正直だから」

パ(ううん……君が一番残酷だよ、サフィール……。ごめんよ、ジャポンの皆さま)

ク「は、ははは。シャスタテのジョークも決まったところで……」

パ(苦しい……苦しいぞ、クラージュ。でも、頑張れ)

ク「最後に紹介するのは、タンドレス、アフェクシオンが持っているおみくじ。これは、運勢を占う
  もので、中にはありがたいお言葉が書いてあるという……」

サ「そうなんだね。ねえ、タンドレス、アフェク、どうだった?」

タ「えっと……」

シ「どうしたのさ」

サ「なに?見せて」

シ「で?」

サアタ「……読めない」

ク「そ、そうでしたねー、ジャポネーズはさすがに……」

パ「まあ、皆んな、ラッキーってことでいいじゃん!んじゃあ、締めってことで、クラージュ、今年の
  抱負を一発かましておけ」

ク「そうですね、えーと、んーと……はい!決めました!」

パ「よっしゃ、言ったれ!」

ク「長生きする!」

……。

…………。

………………。

パ「……お、おう」

パ「えー、ゴホン。それでは、本年もよろしくーーー!」

— fin —

特別企画 - X'mas story -



【 if 】

「おい!」
乱暴に揺すられて、どこかに沈んていた意識がゆっくりと浮上していく。
「なに寝てんだ、始めるぞ、パーティ」
(パーティ……?)
耳慣れない言葉に薄っすらと目を開けると、ぼやけた視界の中で眩しい金髪が揺れた。
ここまで鮮やかな金髪は、出会った中では、きっと彼しかいない。
「……リュビ?」
「ああ、他に誰に見える」
「リュビ、言い方」
「あ?」
リュビが見上げたその先で、まるで子供を諌めるように眉をひそめるその顔に、思わず息を飲む。
「えっ?」
驚きがそのまま声になって漏れる。
「久しぶりだな、ヴェリテ」
ぎこちなく歪む口元。きっと彼なりの精一杯の笑顔。
「ディグニィテェ……」
「ああ」
リュビの隣で、いや、わずかに後ろ、まるで彼を守るように立つ彼。いや、でも彼は……
どうして? なぜ? 問いかける言葉はたくさんあるはずなのに、間抜けに開きっぱなしの口からは、息すらも出て行かなかった。

「よぅ、やっと起きたか。お目覚めのキスでも待ってんのかと思ったぜ」
ハッとする。
反射的に勢いよく振り向いた鼻先がぶつかるかと思うほど近くに、彼は立っていた。
「あ……なた……」
息が止まる。
体が指先から動きを奪われていく。
目頭が温度を上げるのを感じていた。
「どうした?寝覚めでいきなり『あ……なた……』って、ああ、なんだよ、奥さん」
相手の反応を楽しんで、少し右の口角が上がる癖。
変わらない……変わらない。

「……オネット」
緊張が緩む。体の力が抜けていく。
大きく息を吐いて、彼の肩に手を置くと、冷えた空気にひんやりとしてはいるものの、確かに体温を感じた。
「誰があなたの奥さんですか、いい加減にそういう笑えない冗談はやめてください」
あきれるわたしに、
「……だな」
可笑しそうに彼は肩をすくめた。
懐かしいやり取り。嬉しいのか哀しいのか、感情が迷子になっていた。

「ほらよ」
オネットが無造作にわたしの頭に乗せた帽子が眼鏡を押し下げて、前が見えなくなった。
「な、ちょっ、もっと丁寧に……」
帽子を引き上げようと引っ張ると、ちょうど目に当たったふわふわの部分が少し濡れたような気がして、慌ててまた帽子をおろす。
「ん?」
「いえ、何でもありません」
「相変わらずエキセントリックだな」
「誰がですか」
そう言い返して、もう少しだけ帽子を下げた。

満天の星空は、冬の寒さに凍えるようにチラチラと瞬く。
テーブルには月を落とした金色の泡の立つグラスとポインセチアの鉢植え。
リュビの言うパーティというほど豪華ではないような気もするが、実際、パーティなんていうものをよく知らない自分には、十分すぎるほどだった。

テーブルの端の席には、目を奪われるほど美しい銀髪の青年が少し距離を置いて座っていた。
(彼は……)
一瞬、冷えた感情がこみ上げるが、
(いや……)
首を横に振って、改めてグラスに手を伸ばす。
なぜなら、彼がリュビやディグニィテェとここにいること、それすらも不思議だとは思えないほど、まるで当たり前とすら感じてしまうほどに、安らかな空間だった。

「ボーテ、お前、グラスばっかり眺めてないで、少しは会話に入ったらどうだ」
リュビの苛立ちに、さらりと振り向いたボーテは、
「だって、グラスにわたくしの姿が映って、ほら、こんなに綺麗に……」
月明かりにかざしたグラスに、またすぐ視線を戻し、うっとりと見つめる。
「お前な」
「リュビ!」
立ち上がろうしたリュビを抑えるようにディグニィテェが腕をとる。
そして、何かを足元から取り出すと、
「ほら、楽しみにしてたやつ」
赤い大きな布のようなものを、ふわりとリュビの肩にかけた。
多分、サンタクロースの衣装のつもりなのだろうが、昔読んだ絵本に描いたあった服とはだいぶ違うようだった。
リュビは、肩にかかったマントを撫でつけると、まんざらでもないのか、フンッと仰け反って座り直した。その後ろで、ディグニィテェがおもむろに赤いサンタの帽子を被ったのには、思わず笑ってしまった。

赤いマントを羽織ったリュビは、サンタクロースというよりは、どこかの国の王子のようだった。
きらきらと気高く、勇敢な王子。
生まれてくる世界が違ったなら、きっと彼は……
そう考えて、ふと目線を流すと、オネットと目が合った。
深いブルー、いつもそうだったように、その青は揺らがない。
(ああ、そうだ、彼に言わなくてはいけないことがあったのに)
そんな気がして、言葉を探す。

言葉を探して……

……リテ……ヴェリテ……
「ヴェリテ!」
目を覚ます。
見慣れた机に見慣れた窓。
「ここは……」
「先に行くね」
まだ散らかったままの意識を慌ててかき集める。
「え、ええ……そうしてください、サフィール」
パタパタと床に鳴る足音が遠ざかって行った。
見渡すと、いつも自分の部屋だった。
机に向かったままうたた寝をしてしまったか、目の前には押されて平らに広がった読みかけの本が置いてある。
「夢…でしたか」
立ち上がり、窓辺に立つと、いつの間にか降り出した雪が、窓の外を見知らぬ世界に変えていた。

生まれてくる世界が違ったなら……

外は一面の銀世界。
こんなにも世界が姿を変えるのなら、違う世界も嘘じゃないのかもしれない。
あの夢での時間を過ごせる世界が、どこかにあるのだとしたら……

そんなことを考えている自分にふと気がつき、小さく息を吐く。漏らした吐息は、凍った窓に白く広がっていった。

「メリークリスマス……」

雪を舞いあげる風に、世界がまた姿を変えた。
言いそびれてしまった言葉が、胸の奥で微かな音を立てた気がした。

— fin —